YDIZZY

メトロポリスの片隅に生まれ落ちた異端の堕天使、YDIZZY。1994年に渋谷区神山町で生まれた彼は、高級住宅街の松濤地区と喧騒渦巻く渋谷スクランブル交差点の狭間、大都会の混沌と静寂が交差する街で多感な時期を過ごす。小学生の頃から母親の影響で横浜銀蠅や尾崎豊、BOΦWYやザ・ブルーハーツなどを聴き、ファッションはシド・ビシャスに首ったけ。街から流れる50セントやエミネムなどの海外ヒップホップにも反応していた彼が、日本語ラップに出会ったのは10歳の頃。スケボーに乗って学校から帰っている途中、キャデラックに乗ったKダブシャインに声を掛けられ、「オレはオレ」のCDを手渡されたことが日本語ラップとのファーストコンタクトだった。一方で、小学生時代からストリートバスケに明け暮れていた彼のもとには続々と遊び仲間が集結。やがてその一団がkiLLaという名前のクルーに発展していく。結成当初、kiLLaはYENTOWNに吸収されていたが、現在はクルーごと脱退。現在kiLLaには、ラッパーのYDIZZY、Arjuna、Blaise、KEPHA、DJのNo Flower、トラックメイカーのacuteparanoia、VJ / デザイナーのYESBØWYなどが所属し、現在は9人のメンバーで構成されている。夜な夜な公園でラジカセを鳴らしてバスケをしていたYDIZZYが、ボールをマイクに変え始めたのは2015年。6曲入りの『Syndrome』をネット上に無料公開し、その後、「BMW ft. kZm」「Fuked Up」「Break on ma bed」のMVを次々にYouTubeにアップ。生まれながらにして都会の闇と華美に接してきたYDIZZYだからこそ表現できる退廃的なムードと享楽的な世界観、それをラップと歌で共存させるスタイルはたちまち早耳の間に拡散し、YDIZZYは新時代の東京ストリートシーンの旗手として脚光を浴びた。2016年にはフリーミックステープ『Syndrome II』をリリースし、ANARCHYのアルバム『BLKFLG』に客演で参加。ロンドン在住の新鋭、木村太一が監督したショートフィルム「LOST YOUTH」にも出演し、注目度がさらに上昇。2017年2月に配信限定で発売した初の有料作品『Syndrome III』では、それまでの反抗的で反社会的なラップから、自らの内面を吐露した前向きなリリックへとスタイルを変化させ、ひと皮剥けた姿を見せた。そのアルバムからわずか4ヶ月後の2017年6月7日にはChaki Zulu全面プロデュースによる待望の1stアルバム『DIZZiNESS』をリリース。ポテンシャルの高さを遺憾なく発揮し、さらなる進化と飛躍を遂げている。海外のフェスやイベントからも出演オファーが絶えないYDIZZY。東京発のユースカルチャーを牽引する存在として、この男の一挙一動から今後も目が離せない。